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建築家/平野 公平

平野公平 建築設計事務所

風景に開く家

狭小地や変形地においての家づくりは建築家の腕の見せどころです。
今回は福岡市内の閑静な住宅街の中に立地し、近隣風景を絶妙に取り入れたお宅です。手掛けたのは建築家 平野公平氏。難しい条件ながらすばらしい仕上りとなりました。

土地について

敷地は古い住宅地の一角にあります。広さは38坪で、かつ三角形に近い変形敷地ですが、南側に緑豊かな調整池がありました。この敷地の特徴を最大限生かすことで通常マイナスとみられる点(狭小、変形敷地など)もプラスに転換できないかと考えました。またそれがこの土地を選ばれたクライアントの想いに応えることになるのではないかと思いました。

風景と広さについて

プランは敷地形状と同じような三角形のかたちをしています。これは敷地を有効に利用する目的もありますが、そうすることで南側の間口を最大限確保し、どの部屋からも南の風景が望めるようにしています。

また、景色の良い南側だけでなく住宅地である北側にも大きな開口を設け、トンネルのような視線の抜けをつくっています。そのため、決して広くない床面積であっても実際以上の広がりが感じられます。

変化するインテリア

間仕切りというと部屋と部屋の仕切りをイメージしますが、この住宅では風景を区切るという意識で間仕切りを設けており、部屋ごとにやや異なる景色が楽しめます。また、池のほとりには見事な桜の木が並んでおり、大きな窓とその距離が風景をインテリアの一部のように感じさせてくれます。春の印象の強い桜ですが、落葉樹であるため、一年を通して変化し日々の生活と共に移ろっていきます。

おわりに

この住宅では風景に開くことが、『建物で暮らす』というよりも『この場所で暮らす』ということを強く意識させてくれるではないかと考えていました。そうした場所とのつながりを通して、日々の生活が豊かなものになってくれればと思っています。