家づくり・あるある物語
家づくり
2022.01.25
「そろそろ家でも買おうかな。」こんなキーワードが頭をよぎったあなた、ちょっとお目を拝借。とある夫婦の家づくり物語を覗いてみてはいかが?もしかすると、これは未来のあなたの物語かもしれません。
ごく一般的な会社勤めのサラリーマン「Aさん」。ある会社帰りの晩の事、居酒屋でいつものように同僚と仕事の愚痴をこぼしあっていた所で同僚がポツリと一言。
そういえばオレさぁ、そろそろマンションか家でも買おうと思うんだよねぇ・・・
おっ、ついに一国一城の主か!
2人の子どもも大きくなってきたしね。
田舎のお袋も1人っきりで暮らしてるから、これを機に一緒に住もうかな~なんて。
へ~そっかぁ。
ま、ガンバレよ! ハハ・・・
居酒屋の帰り道、Aさんの頭の中にも「自分の家」のことが浮かんできました。
ウチも2年後には子どもが小学校に上がるしなぁ…第2子も計画中だし。
そうすると今の賃貸じゃ手狭になるから、もっと広いマンションでも買うかなぁ…。
あ、そういえばこの前ポストに入ってたチラシはどこにやったっけ…?
…いや待てよ、この際思い切って一戸建ての方がいいのかな…?
会社の先輩も去年、家建てたしなぁ。
いや、待て待てオレ土地持ってないぞ。
全部入れたらお金かかるんだろうな…今の収入でローンとか組めるのかな…?
あ〜何から考えたらいいんだっ!?
皆さんがこんなストーリーばかりでは無いと思いますが、人生の様々な局面において「家づくり」を考え始めたとき、最初はどうしてよいのか少なからず悩むのではないでしょうか。
それもそのはず、ほとんどの人にとって大きな不動産を取得する事は人生に一度あるかないかの大イベント。初めて経験することに戸惑いがあるのは当たり前の事なのです。
さて「家を建てる」ことを考え始めたAさんはどうするのでしょうか?
なぁ、ぼちぼちウチも一軒家かマンション考えようか…?
えっ?どうしたの急に。
住むんだったら一戸建てとマンションどっちがいいと思う?
知り合いは一戸建て派が多いけど…私はマンションも憧れるかな〜。
う〜ん、でもどっちが良いかはわかんない。
そりゃそうだよね…。
ま、なんか今考えてもよくわからないし、今度近場の住宅展示場にでも冷やかしで行ってみるか。
次の休日、住宅展示場を訪れたAさん家族。
様々なハウスメーカーのモデルハウスを目にしてマイホームの夢がだんだんと膨らんでいきます。
子ども達が人気のキャラクターグッズと風船をプレゼントされて大はしゃぎしていると、ハウスメーカーの営業マンがAさん達に話しかけてきました。
ご主人様、よろしければアンケートにお答えいただけますか?
こちらにお名前とご住所と連絡先、あとご希望の土地や、ご年収なんかも・・・。
あ、あ〜ハイハイ…アンケート…。(冷やかしなんだけどなぁ)
ありがとうございます。
こちらご来場プレゼントとなっておりますのでどうぞ!
え?アンケートに答えただけでこんなにお土産もらえちゃうの?
すごいなぁ。
すごいね〜。
そして数週間後…
ご主人様、その後ご検討いただけておりましたでしょうか?
どうでしょう、まずはお見積りだけでも…
いや〜スイマセンちょっとまだ検討中で〜…
(まだ戸建てって決めてるわけじゃないし、ローンとかも考えなきゃいけないし…)
ヒソヒソ(まだ契約するって決まったわけじゃないんだから、とりあえず見積もりだけとってもいいんじゃないの?)
もしもし?
あ…すいません。
じゃぁ、とりあえず見積りだけお願いしようかな…
数日後「A様邸ご計画資料」を持って営業マンがやって来ました。
資料を開くとそこにはリアルに描画された美しい“我が家”の外観図と平面図が。
しかも場所は希望していたエリア近くの分譲地。
パラパラと資料を眺めつつ見積り金額を見ると…
土地込みで3,900万円!
妻と顔を見合わせ、小さくため息ひとつ…。
その様子を見た営業マンは、すかさずカバンの中から“A様ご返済計画書”という35年ローンの資料を出してきました。
月々のお支払いは今のお家賃と同等かお安くなります!
いや〜やっぱり高いですね〜。まぁ…前向きに検討してみます。
よろしくお願いいたします!
ちなみに現在キャンペーン期間中ですので、今月中にご契約いただいたお客様には特典としてですね…
ハイ、ハイ、前向きに考えておきます…(そんな簡単に決断できないよ!)
さて、営業マンが帰ったあとの家族会議。
どうする?
ちょっと高いけどいい感じのお家だし、私は別にここでも十分よ。
内装とか家具の出費を少し我慢すれば、支払いも何とかなるんじゃない?
そうだなぁ。
なんか他のメーカーも一長一短って気がするし…(また営業の人と最初からやり取りするのもコリゴリだし…)
実家も資金協力しようかと言ってくれてるし、今決めれば子どもの新学期にも間に合う。
うん。CMやってる有名なメーカーさんだし悪い家じゃない。
営業さんも一生懸命だし、もうあそこに決めちゃおうかな〜。
おや、Aさんは考えるのがちょっと面倒になってきたみたいですね。この先35年ローンを払い続け、一生住む予定の家をそんな一時の気持ちで決めてしまって大丈夫なのでしょうか。
家を建てる事ができるのはハウスメーカーだけではないはず。工務店や建築家に依頼する手もありますし、マンションの方が実はライフスタイルに合っている可能性だってあります。
もっともっと家族で真剣に話し合ってから結論を出した方がいいと思うのですが…
結局、某ハウスメーカーと契約をしたAさん。
それから数ヵ月後、待ちに待った我が家がついに完成!家族みんなウキウキで暮らし始めました。
しかし時が経つにつれて…
あー、ここに収納があったらよかったなぁ・・・
確かにねぇ。まぁしょうがないよ。
別の日…
洗濯物は2階に干すのに、なんで洗濯機は1階にあるんだろうね・・・。
持って上がるのめんどくさいなぁ。
そうねぇ。でもそれって普通じゃないの?
また別の日…
ただいま・・・
おかえり・・・わ、びしょ濡れ。
急に雨が降ってきて・・・
車で行ってたじゃん。
車庫から玄関までの間でこうなったんですけど・・・
はぁ・・・車庫から玄関まで屋根があればいいのに。
今さらそんなこと言ったって・・・
ずっと心待ちにしていたマイホーム。きっと快適で楽しい毎日が待っていたはずなのに…。
なぜ、Aさん達はこんなに不満をかかえてしまったのでしょうか。
ハウスメーカーで建てたから?
いいえ違います。ハウスメーカーは悪ではありません。
ハウスメーカーの家で快適に楽しく暮らしているご家族は日本中に沢山いらっしゃいます。
しかし、そうでないご家族がいる事もまた事実。
この物語で伝えたかった事、それは「せっかくの家づくりをもっと大切にしてほしい」という事です。
家を建てるということは、『自分と家族の暮らし、その未来について考えること』でもあります。
『自分たちはこれからどんな暮らしをしていきたいのか?』
『5年後、10年後、30年後に家族はどんな暮らし方になっているのか?』
家づくりは、それをじっくりと考える機会であってほしいと思うのです。後で後悔しないために。