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建築家/松野尾 仁美

CAMELC一級建築士事務所

KID’S LIVINGのススメ -「子どもが伸びる家作り」-

子どもの成長は、あっという間です。
この大切な時期だからこそ、子どもが伸びる家作りを目指しませんか?

子育てと住まい

家を建てたい。とお考えの方の中には、子育て中の方が少なからずいらっしゃいます。当事務所でも、ご相談に来られる方々の多くは、お子さんが小さい、子育て世代です。
お話を伺うと、「子どもの小学校入学に合わせて家を建てたい。校区があるので、小学校で転校しなくていいようにしたい。」「子どもが大きくなる今の時期こそ、家が欲しい。」とおっしゃいます。

動物の姿を見ると子どもを生み育てる為に、巣作りを行うわけですから、子育ての為に家が欲しいというのは、自然な流れだと思います。

実際、10歳までに過ごした環境は「原風景」として残り、どのような空間を体験したかにより、空間把握力や関心意欲度に差があるといわれています。だからこそ、子ども達が成長著しい時期に、子ども達にとってよりよい居住環境を。とお考えになられるのは、よくわかります。

発達心理学を取り入れた住まい

以前、保育園の改修工事をさせて頂いた際に、園長先生を含めて保育士の方にお話を伺う機会がありました。

子育てを経験された方はおわかりだと思いますが、子どもは乳児期、幼児期、学童期と全く違う対応が必要になります。細かくいうと乳児期でも、高這いをする時期と歩けるようになってからでは違いますし、幼児期も月齢に合わせて、できることの差が大きいと言えます。これらは発達心理学として体系化されています。

子どもは殆どの時間を住まいで過ごします。幼稚園、保育園に通ったとしても、やはり、中心は住まいなのです。保育園では発達心理学の考えを取り入れられていますが、むしろ多くの時間を過ごす住まいにこそ、発達心理学の考え方を取り入れたらいいのでは?と考えたのが「子どもが伸びる家作り」に取り組むきっかけです。

子どもの発達段階に合わせた必要な要素を取り入れられないか。また、関心意欲度、積極性が高くなるには、どのような仕掛けを作ればよいか。と考え、住まいをご提案しています。

可変性のある住まい

成長段階にある子ども達は、その段階ごとに求められる空間機能が異なります。

日本の文化・習慣から言って、幼児期には個室は不要です。この時期は「遊び」が仕事ですから、十分に遊ぶことができ、と同時に食事、入浴、就寝の場を確保すべきです。学童期に入ると、遊びと勉強の場のバランスが大切になってきます。また、親の目の届く安心感が子ども達の自立を促します。思春期になると、自分だけの閉じたテリトリーが必要となります。

発達段階のステージに合わせて可変性のある「着替え」のできる空間こそ、子育て世代の住まいには不可欠で、「KID’S LIVING」として、LDKの近くに設けることをお勧めしています。

STEP1 幼児期

小さい間は、子どもが出し入れしやすい高さの棚に、絵本やおもちゃをセッティング。
おままごとのあそびも直ぐはじめられるよう、場所を設えておきます。

STEP2 学童期

学童期は子ども達も個室でなく、みんなでスペースを共有して使います。
並んで、勉強できる机と荷物が整理できる棚を用意。

STEP3 思春期

個室が欲しくなる時期には、スペースを3分割。
上部はベッドで、下にはワークデスクと収納を設け、最低限のプライベートスペースを確保します。

キッチンの側に設けたキッズリビングはママの目も届き易く、安心感があります。
また、リビングとは別のスペースとすることで、おもちゃが片付かない。とか、生活スペースと遊びの場がごちゃごちゃになる。というお悩みも解決します。
そのキッズリビングは子どもの成長段階に応じて、変化して行きます。

子どもの成長は、あっという間です。この大切な時期だからこそ、子どもが伸びる家作りを目指しませんか?